【ホラー】日本ホラー映画国内興行収入ランキングトップ10

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日本ホラー映画の国内収入ランキングトップ10の作品がわかります。

みなさんこんにちは、syuyaです。

日本の映画のジャンルのひとつである『ホラー映画』。

日本のホラー映画の源流は江戸時代の怪談にまで遡れると言われ、妖怪や幽霊などといった、得体のしれない存在による”静かな恐怖”は、日本ホラーの特徴であるといえます。

その後日本にも映画の撮影技術が伝わると、映画の1ジャンルとしてホラー映画も作られ始めます。

その後多くのホラー作品が制作され、日本のホラーは海外のホラーとは違う独自の進化を遂げていきます。

そして本記事でもご紹介する『リング』の海外でのヒットにより、日本のホラー映画は西洋を始め広く世界に認知され、評価されるようになります。

そんな日本で初めてのホラー映画は、1926年(大正15年)に公開された衣笠貞之助監督によるサイレント映画『狂つた一頁』であったとされています。

【日本初のホラー映画】「狂つた一頁」

精神病院を舞台としたこの映画は全体として独特な気味悪さをたたえ、すでに後の日本ホラーの”不気味な怖さ”を持っていると言えますね。

この記事ではそんな日本のホラー映画の内、国内興行収入ランキングトップ10の作品をご紹介しています。

1位:事故物件 怖い間取り・・・23.4億円

映画『事故物件 恐い間取り』【予告】
タイトル事故物件 怖い間取り
監督中田秀夫
公開日2020年8月28日
国内興行収入23.4億円
キャスト亀梨和也
奈緒
瀬戸康史
江口のりこ
MEGUMI 他

『リング』や『仄暗い水の底から』で知られるホラー映画の名手・中田秀夫が監督を務め、KAT-TUNの亀梨和也が主演を務めた2020年公開のジャパニーズホラー。

原作は、お笑い芸人・松原タニシによる実体験を綴ったノンフィクション書籍『事故物件怪談 恐い間取り』で、彼が“本当に住んだ”事故物件で起きた不可解な出来事が映画化されています。

物語は、売れない芸人・山野ヤマメ(亀梨和也)が、テレビの企画で「事故物件に住む」という前代未聞のチャレンジを受けたことから始まります。

最初は話題作りのつもりだったものの、次第に部屋の中で奇怪な物音、異常な映像、そして霊の存在を感じるようになり、やがてテレビ局スタッフや共演者にも次々と不可解な現象が波及していきます。

舞台は現代の都会でありながら、家という最もプライベートで安心できる空間に忍び寄る“見えない恐怖”が巧みに演出されており、日本的ホラーが得意とする「音」「気配」「間」による緊張感が全編にわたって持続。

中田監督らしい抑制の効いた演出と、現実に即した恐怖の説得力が融合し、リアリティのある“じわじわ来る恐怖”を生み出しています。

また、ヒロイン役には女優・奈緒が出演し、真摯な演技で物語に人間的な温もりを添えています。

さらに瀬戸康史、木下ほうか、江口のりこ、加藤諒など実力派俳優陣が脇を固め、芸人クロちゃんやバービーといったキャスティングも含めて、現実とフィクションの境界を曖昧にするような仕掛けが施されています。

公開直後から口コミが広がり、コロナ禍にもかかわらず観客動員は右肩上がり。

最終的に23.4億円の国内興行収入を記録し、2000年以降の邦画ホラーとしては最大級のヒット作となりました。

特に「実話ベース」という要素が話題を呼び、“本当に起きた話”だからこそ感じる“逃げ場のない恐怖”が多くの観客を惹きつけました

2位:リング2・・・21億円

【予告篇】『リング2』&『死国』
タイトルリング2
監督中田秀夫
公開日1999年1月23日
国内興行収入21億円
キャスト中谷美紀
佐藤仁美
真田広之
小日向文世
沢口香苗

中田秀夫監督による『リング2』は、1998年公開の『リング』の続編として、同年初頭に日本で公開されました。

物語は前作からわずか1週間後が舞台。

山村貞子の遺体が解剖され、その死因と死後の時期に不可解な点が見つかります。

一方で、テレビ番組取材で事故物件を回っていた高野舞(中谷美紀)は、恩師・高山(真田広之)の不可解な死を機に、彼の元妻・浅川とその息子・陽一の行方を捜し始めます。

やがて、ビデオテープの恐怖は“観た人”から“その周囲”にまで拡散し、触媒としての人物を経由して貞子の呪いが伝染していく構造へと進化していきます 。

静かな日常に潜む狂気と、貞子の怨念が交錯する映像表現は一層おぞましく、サスペンス色も強まりました。

本作は興行収入約21億円という大ヒットを記録し、前作『リング』が築いた“和製ホラー”の地位をさらに強固にしました。

また、科学的説明や理屈よりも“伝染する呪い”としての恐怖を前面に押し出す中田秀夫監督独特の演出が光り、単なる続編ではなく「リング世界の拡張」として高く評価されています。

「続編は駄作になりがち」といわれる中、本作は“触媒”としての人間の恐怖心理を映像的に描き、前作の衝撃をさらに研ぎ澄ませる形でホラーとして再構築。

深夜の井戸のシーン、貞子の動き、霊媒となった子どもたち…といった演出描写が視覚的・精神的な恐怖を誘います。

また、浅川親子や倉橋といった複数の視点が交錯する群像劇的構成が物語に厚みを持たせています。

3位:リング0 バースデイ・・・16億円

【特報+予告篇】『リング0 バースデイ』
タイトルリング0 バースデイ
監督鶴田法男
公開日2000年1月22日
国内興行収入16億円
キャスト仲間由紀恵
田辺誠一
麻生久美子
田中好子

『リング0 バースデイ』は、鈴木光司の短編集『バースデイ』に収録された「レモンハート」を原作とし、前作『リング2』の続編にして“前日譚”として制作された日本のホラー映画です。

監督は『リング』『リング2』も手掛けた鶴田法男が務め、映像も脚本もオリジナル展開に挑戦しています。

物語の舞台は昭和43年(1968年)—まだ呪いのビデオが世に出るずっと前、18歳の山村貞子(仲間由紀恵)が東京の劇団「飛翔」に所属していた頃から始まります。

劇団の稽古中に看板女優が謎の死を遂げ、主役に抜擢された貞子。

しかし不穏な怪奇現象や噂が広がり、次第に劇団員たちから疎まれる存在へと追いやられていきます。

そんな中で、音響係・遠山(田辺誠一)だけが彼女に寄り添い、貞子に淡い友情と恋を抱くのです。

一方、記者の宮地彰子(田中好子)は、貞子の母・志津子が関わった超能力公開実験に端を発する呪いの謎を追い、貞子の出生や過去に迫っていきます。

やがて悲劇は劇団の舞台上で最高潮を迎え、仲間たちの裏切り、暴走する超能力、そして貞子の分身──複数の貞子が交錯する怒涛の展開が、観る者の予想を裏切ります。

本作は約16億円の興行収入を記録し、当時の邦画ホラー市場においても成功を収めた作品です。

その魅力は「呪いの起源」を描く構造と、人間関係の悲劇性をじわじわと深めていくサスペンスにあります。

仲間由紀恵の純粋でありながら狂気をはらんだ貞子像、田辺誠一の優しさと悲劇を帯びた遠山との心の交流、そして冒頭から連なる昭和時代の濃密な空気感──これらが重なって、リングシリーズに新たな深みと哀愁を添える作品として評価されています。

4位:着信アリ・・・15億円

『着信アリ』劇場予告編
タイトル着信アリ
監督三池崇史
公開日2004年1月17日
国内興行収入15億円
キャスト柴咲コウ
堤真一
吹石一恵
石橋蓮司

『着信アリ』は、ケータイに“未来からの死の予告着信”が届くという斬新な怖さを軸に描かれた、日本発の都市怪談ホラー映画です。

監督は『殺し屋1』『悪の教典』などで知られる三池崇史。原作・企画は秋元康が手がけ、脚本は大良美波子が執筆しています。

物語はごく普通の大学生・由美(柴咲コウ)が、合コンの席で友人・陽子(永田杏奈)が耳慣れない着信音で電話を受けるところから始まります。

なんと発信者は陽子自身で、電話に入っていたのは“3日後に自分が死ぬ直前”の悲鳴。的中する予言めいた着信に次々と動揺が広がり、由美の周囲にも同じ呪い電話が襲いかかります。

やがて由美は、同じ呪いを追う葬儀屋の山下(堤真一)と手を組み、連鎖する不気味な死を解き明かそうと奔走。

ケータイという“日常風景の象徴”が恐怖の媒体に転じることで、「いつ自分にも起こるかわからない」リアルな緊張感を生み出しています。

映像面では、構図を活かした不穏な静けさ、効果音として使われる“あの着信音”、そして“口から転がり落ちる真っ赤なアメ玉”といったビジュアル演出が、現代ホラーへの恐怖演出として強烈な印象を残しました。

キャスト陣も豪華で、主演の柴咲コウは“普通の女子大生が恐怖に巻き込まれる”リアルな演技で物語を引っ張り、堤真一の“冷静だが傷を抱えた男”も物語に厚みをもたらします。

吹石一恵、石橋蓮司ら演技派俳優が物語を支え、奇妙な電話番号から運命の連鎖を辿るミステリー要素も強く、サスペンスとホラーのバランスが心地よい構造になっています。

公開後は「ケータイ=恐怖の象徴」という着想が若者層に広く受け入れられ、15億円の興行収入を記録。

これは和製ホラーでは大きな成功を意味し、一連の続編・リメイクへとつながっていきました。

5位:犬鳴村・・・14.1億円

犬鳴村 予告 60秒
タイトル犬鳴村
監督清水崇
公開日2020年2月7日
国内興行収入14.1億円
キャスト三吉彩花
坂東龍汰
古川毅
宮野陽名

『犬鳴村』は、日本の最恐心霊スポットとして名高い「旧犬鳴トンネル伝説」をベースに、清水崇監督が現代的な“村ホラー”として映像化した本格派ホラー映画です。

主演は三吉彩花が務め、幽霊が見える臨床心理士・森田奏を演じます。彼女の兄・悠真(坂東龍汰)とその恋人がトンネル内で姿を消した事件をきっかけに、奏は次々と起こる怪異現象の原因を追って、伝説の村へと足を踏み入れます 。

本作の構成は、因習や因縁が絡み合う田舎村の伝統と、そこに潜む“呪いの連鎖”を軸に展開されるもの。

娘の失踪、行方不明事件、奇妙なわらべうた…そうした断片的な恐怖が、やがて「禁断の村」へと観客を誘い込む構造的な恐怖を生み出しています 。

映像演出では、田舎の静けさを強調した余白のあるカメラワークや、寂れた民家・トンネル内部・村の風景など、意図的に“息遣い”を抑えた構図が特徴的。

そこへ突然現れる顔、急に暗転する映像、そして三吉の繊細な演技から醸し出される“日常から非日常”への移行が、じわじわと恐怖を募らせます。

また、土着的な“村ホラー”としての説得力も強く、ネット発祥の都市伝説を活用した独自のプロモーションが功を奏し、興行収入は14億円を超え、動員100万人以上のヒットを記録。

若年層から中高年層まで幅広い層に恐怖体験を届け、「J‑ホラーの冬」を吹き飛ばす作品として注目されました。

本作は単なるジャンプスケアや幽霊映像に留まらず、血縁や村の秘密といった“人間ドラマ”に焦点を当てることで、より厚みのある恐怖と物語性を両立。

清水崇監督自身が「血筋の映画」と呼ぶように、ホラーとしての鋭利さを保ちながらも、家族の記憶や過去の連鎖という人間の根源に迫る恐ろしさを内包しています。

6位:あのコはだぁれ?・・・11.6億円

映画『あのコはだぁれ?』【予告編】7.19(Fri)みいつけた
タイトルあのコはだぁれ?
監督清水崇
公開日2024年7月19日
国内興行収入11.6億円
キャスト渋谷凪咲
早瀬憩
山時聡真
染谷将太

『あのコはだぁれ?』は、“教室にいるはずのない生徒”をめぐる、現代版の学園ホラー作品です。監督は『呪怨』『犬鳴村』などで知られるJホラー界の巨匠・清水崇。

主演には元NMB48の渋谷凪咲が抜擢され、映画初主演ながらも静かに恐怖と対峙する教師役を見事に演じています。

物語の舞台は、夏休み中のとある中学校。補習授業に臨時で赴任してきた君島典子(渋谷凪咲)は、生徒たちの間でささやかれる奇妙な噂を耳にします。

「教室には“もう一人”生徒がいる」「“あのコ”の名前を呼ぶと見つめ返される」──まるで子どもの遊びのような話でしたが、やがて教室では不可解な出来事が次々と起こり始め、血の足跡や謎の笑い声、そして生徒の失踪という現実の恐怖へと変わっていきます。

主人公の典子は、教え子たちを守ろうと奔走する中で、自らの過去や婚約者・七尾(染谷将太)との関係、そして“あのコ”の正体に深く巻き込まれていきます。

物語は、子どもたちの小さな秘密が、やがて教室全体、さらには大人たちの心の闇までをも浮き彫りにしていく構造になっており、「いないはずの存在」が持つ力を静かに、かつ強烈に描き出しています。

本作のホラー演出は、音や気配、視線など、Jホラーの伝統的手法を活かしながら、現代の学校という身近な舞台に落とし込んだ点が特徴です。

観客の「そこに本当に何かがいるのでは?」という想像力を刺激し、視覚的な恐怖よりも心理的な不安がじわじわと染み込むような恐怖体験を生み出しています。

劇場公開後は、観客の口コミやSNSを通じて評判が広がり、2024年のホラー映画としては異例のヒットに。公開から1ヶ月ほどで興行収入11億円を超え、若者層を中心に“絶叫上映”や“考察合戦”も盛り上がりを見せました。

Jホラーの復権を感じさせる一本として、今後も語り継がれていく可能性のある作品です。

7位:呪怨2・・・11億円

映画「呪怨2」劇場予告
タイトル呪怨2
監督清水崇
公開日2003年8月23日
国内興行収入11億円
キャスト酒井法子
斎藤歩
新山千春
葛山信吾

『呪怨2』は2003年に劇場公開された清水崇監督によるジャパニーズホラーの続編であり、最恐の“呪いの連鎖”を描き出します。

前作『呪怨』の衝撃的な恐怖をそのまま引き継ぎつつ、今回はより複雑な構成で物語が紡がれます。

主演に迎えられた“ホラー・クイーン”酒井法子は、テレビの心霊特番に参加したレポーター・原瀬京子役で映画初主演。撮影後に車で交通事故を起こし、不気味な胎動や事故の記憶の謎に巻き込まれていきます。

京子と婚約者の将志(斎藤歩)は、事故からの生還と引き換えに“呪いの病”に蝕まれ、胎内に潜む異質な存在に戦慄を覚えることになります。

さらに物語は、テレビ特番制作スタッフ(三浦朋香役・新山千春ら)やディレクターの圭介(葛山信吾)を含む複数の視点で展開。

時系列をあえて交錯させることで“呪いが無限に伝播していく”不条理な世界を鮮烈に描き出しています。

まるで呪いそのものが構造として機能しているかのような、連鎖と重複を繰り返すストーリーテリングは、観客に「次は誰がいつ呪われるのか」という常時の不安と緊張を抱かせます。

特に印象深いのは、胎児の存在を介した母体への浸食、そして“伽椰子と俊雄”という不気味な家族の呪念が京子の身体と精神に忍び寄る描写。

病院、建築現場、収録スタジオなど、生活空間の日常性と非日常性が交差するシーンは、その静謐が怖さを際立たせています。

興行的にも成功を収め、国内興収は10億円以上となりました。

また本作は後に海外でも『Ju‑On: The Grudge 2』として展開され、清水監督自身がハリウッドリメイク版の続編を手掛けるきっかけとなるなど、和製ホラーの地位を確固たるものにした作品でもあります。

8位:クロユリ団地・・・10.2億円

映画『クロユリ団地』予告編
タイトルクロユリ団地
監督中田秀夫
公開日2013年5月18日
国内興行収入10.2億円
キャスト前田敦子
成宮寛貴
勝村政信
西田尚美
田中奏生

日活創立100周年記念作品として制作された『クロユリ団地』は、J‑ホラーの旗手・中田秀夫監督が手がけ、前田敦子と成宮寛貴を主演に迎えた本格ホラー映画です。

舞台となるのは、13年前から不可解な死が相次ぐクロユリ団地。介護士を志す若い女性・二宮明日香(前田敦子)は家族と共に引っ越してきますが、隣室に住む老女の孤独死をきっかけに、団地の“異常”に巻き込まれ始めます。

明日香は遺品整理に訪れた特殊清掃員の笹原(成宮寛貴)と出会い、団地にまつわる秘密と向き合います。

ミノルという名の孤独な少年との交流や、次第に露見する地中に埋もれた過去。13年前の交通事故で失われた“記憶”が、明日香と団地の住人たちを恐怖の中心へと引きずり込みます。

本作の魅力は、古びた団地という閉鎖空間の息苦しさと、そこで育まれる人間ドラマの積み重ねにあります。

カメラが捉えるのは、埃をかぶった家具、人影を歪める曇りガラス、深夜の階段の静寂… それらが視覚的・心理的な圧迫感を高め、明日香が体験する“日常の崩壊”を巧みに描き出しています 。

映画公開時には、初週末だけで興行収入1.5億円を突破し(動員11.9万人)、2週連続で週末ランキング1位を獲得しました。

そして最終的には10.2億円を記録。これは2000年代以降の邦画ホラーとしても上位に位置する成果です。

さらに本作はホラーとアイドル主演の意外な組み合わせが話題となり、若年層を中心に“放課後の肝試し”のような感覚で観賞されました。

前田敦子の切迫した演技は、平凡な日常に潜む異様な恐怖を際立たせ、観る者に忘れがたい緊張感を与えています 。

9位:着信アリ2・・・10.1億円

『着信アリ2』劇場予告編
タイトル着信アリ2
監督塚本連平
公開日2005年2月5日
国内興行収入10.1億円
キャストミムラ
吉沢悠
瀬戸朝香
ピーター・ホー
石橋蓮司

『着信アリ2』は2004年の大ヒットホラー『着信アリ』の続編であり、携帯電話を媒介にした“死の着信メロディ”の呪いが、1年後の日本と台湾へと舞台を広げる劇的な展開を描いた作品です。

監督にはドラマ畑から本作へ初挑戦した塚本連平が起用され、オリジナルの秋元康による企画・原作、脚本の大良美波子という制作体制は踏襲されながらも、前作の“陰”を残しつつ新たな空気感を加えて仕上げられました。

物語は保育士・杏子(ミムラ)の携帯が突然、死を予告するあの呪いの着信音で鳴り響くところから幕を開けます。

そこから、彼女の恋人・尚人(吉沢悠)とルポライターの孝子(瀬戸朝香)が事件解明のために動き、呪いの発端が台湾の炭鉱村にあることに気づきます。

そして、台湾ロケが物語に新たな異国情緒と緊迫感をもたらし、呪いがボーダーを越えてもなお根深く続いていく恐怖を鮮烈に描いています。

特に注目すべきは、台湾から参加したピーター・ホー演じるユーティンや、シリーズおなじみの刑事・本宮(石橋蓮司)が再び登場し、前作との連続性とスケール感を兼ね備えた物語構成です。

映像では、廃炭鉱の閉鎖的空間の中で繰り広げられる恐怖描写や、口を縫われた少女などグロテスクなビジュアル要素が驚愕のインパクトを放ちます 。

興行的には、前作同様に安定したヒットとなり、国内では約15億円を超える興行収入を達成。キャスト・スタッフ刷新ながらも「怖さも人間ドラマも“前より濃い”」との評価を得ました。

Jホラーの定番として位置づけられるこのシリーズにおいて、『着信アリ2』は“国境を越える恐怖”というテーマを大胆に取り込み、ジャンルの可能性を押し広げた意欲作と言えるでしょう。

10位:貞子VS伽椰子・・・10億円

映画『貞子vs伽椰子』予告編
タイトル
監督白石晃士
公開日2016年6月18日
国内興行収入10億円
キャスト山本美月
玉城ティナ
佐津川愛美
安藤政信
甲本雅裕
菊地麻衣

『貞子vs伽椰子』は、日本ホラーの金字塔である『リング』と『呪怨』の最恐キャラクターがついに激突するクロスオーバー映画です。

監督・脚本を務めるのは、ホラー界隈で高く評価される白石晃士。

本作ではJホラーの定番「呪いの動画」と「呪いの家」という異なる呪いを同時に展開し、恐怖と密度の高い構成が光ります。

物語は二つの呪いの発端から始まります。

倉橋有里(山本美月)は、貞子の呪いが込められた“呪いの動画”を再生してしまい、2日後に死を予告されます。

一方、高木鈴花(玉城ティナ)は“呪いの家”として知られる恐怖の家に入り、その場で幽霊の宴に巻き込まれる恐怖体験を強いられます。

この二つの恐怖を解決すべく、霊媒師・常盤経蔵(安藤政信)は大胆にも“呪い同士を衝突させて消滅させる”という奇策を実行。

やがてTVモニター越しに迫る貞子、階段から不気味に現れる伽椰子、そして俊雄も交えた緊迫の死闘が展開されます。

本作の見所は、従来のJホラーで重視されてきた「静謐」と「間」を活かしつつ、シリーズファンの期待を超えるスリリングな演出が施されている点です。

終盤に向けて徐々に高まる恐怖のカタルシスは、まさに“史上最恐の結末”と呼ぶに相応しい衝撃を与えます 。

興行面でも成功を収め、公開からわずかで約10億円を突破。Jホラーのブランド力に相応しい、シリーズファンと新規観客を巻き込む“最恐エンターテインメント”として評価されました。

10位:らせん・・・10億円

Ring: Rasen (1998) ORIGINAL TRAILER [HD 1080p]
タイトルらせん
監督中田秀夫
公開日2000年1月14日
国内興行収入10億円
キャスト佐藤浩市
中谷美紀
真田広之
佐伯日菜子

『らせん』は鈴木光司による原作小説を基に、中田秀夫監督が映像化した『リング』シリーズの“解答編”とも言える作品です。

2000年1月14日に公開され、前作の“呪いのビデオ”に隠された謎を、精神科医・安藤満男(佐藤浩市)の視点から科学的なアプローチで描き出す、ジャパニーズホラーとサイエンスミステリの融合作となっています。

物語は安藤が友人かつ刑事の高山竜司(真田広之)の不可解な死を解剖するところから幕を開けます。

彼の体には“数字のメッセージ”が残されており、それがかつて浅川玲子(松嶋菜々子)が関わった呪いのビデオと繋がっている可能性に気付きます。

やがて安藤は貞子の呪いを追い、「ウイルス」「DNA」というキーワードを通じて呪いとは一体何か? という問いに挑みます。

映画はホラーというよりも、“呪いを科学で解きほぐす”知的サイエンスホラーとしての面白さを前面に打ち出しています。

仲間由紀恵演じる元夫人・高野舞や真田広之演じる高山との掛け合いも、呪いの実体を捉えようとする中で人間ドラマとしての奥行きを生み出します。

また、貞子が直接登場しないシーンでも、ビデオ映像や解析シーン、暗号の解読場面により、不気味な緊張感がじわりと伝わります。

“恐怖”に頼らずにむしろ“未知との知的対決”として恐怖を構築した点は、シリーズの中でも異色であり、SF要素の強い意欲作です。

公開後はホラーとしての評価に賛否ありましたが、シリーズの中でも“知的ミステリとして奥深い”という意見も多く、Filmarksでも「呪いに科学的アプローチが面白い」「ミステリー寄りな本作が好み」とのレビューが見られます

10位:リング・・・10億円

Ring (Ringu) - リング (1998) - Official Trailer
タイトルリング
監督中田秀夫
公開日1998年1月31日
国内興行収入10億円
キャスト松嶋菜々子
真田広之
中谷美紀
小多嶋萌

『リング』は、鈴木光司の同名小説を中田秀夫監督が映画化し、1998年1月31日に公開された日本ホラーの金字塔です。

呪いのビデオテープ「見た者は一週間後に死ぬ」という衝撃的な設定で注目を集め、公開時には配給収入約10億円を記録。

その後も口コミや映像のインパクトが尾を引き、20億円超との報告もあり、邦画ホラーとして初の大ヒット作となりました。

物語は、テレビディレクターの浅川玲子(松嶋菜々子)が、親戚の若い女性が謎の死を遂げたことから「呪いのビデオ」の存在を知り、調査に乗り出すところから始まります。

やがて彼女は元夫で大学講師の高山竜司(真田広之)と協力し、ビデオの映像が三原山の噴火に関係している可能性に気づき、呪いの源を追って島へ向かいます。

本作は「テレビ画面から這い出る少女・貞子」のビジュアルがあまりにも象徴的で、映像的に強力な恐怖を植えつけました。

淡々と展開する調査と緊張感ある沈黙、そして最後の“呪いが伝播するラスト”は、深層心理まで刺激するインパクトを持ちます。

また、科学的推理と超常的恐怖が交錯するストーリーテリングは、従来のホラーとは一線を画す構造で、観た後も頭から離れない余韻を残します。

さらに海外でも大成功を収め、1999年には韓国、2002年にはハリウッドでリメイクされたほど国際的にもその恐怖が評価されました。

これにより日本発ホラーの世界的な波が広がり、アジアン・ホラーリメイクの潮流を切り拓くきっかけともなりました。

まとめ

いかがだったでしょうか。

この記事では、日本のホラー映画の国内興行収入トップ10をご紹介しました。

気になる作品はありましたか?

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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