ギリシア語の基礎フレーズがわかります。
Καλησπέρα
みなさんこんにちは、syuyaです。
みなさんは”ギリシア語”について、どのくらいの事をご存じでしょうか?
ギリシア語は世界で最も長い歴史を持つ言語のひとつであり、約3000年以上にわたって記録されてきた言語です。
古代ギリシア語は、哲学、科学、文学の分野で多大な影響を与えており、ソクラテス、プラトン、アリストテレスといった偉大な思想家たちが用いた言葉でもあります。
その後ヘレニズム時代には”コイネー・ギリシア語”と呼ばれる共通語が広まり、新約聖書もこの言語で書かれました。
現代において使われているのは”現代ギリシア語(Νέα Ελληνικά)”で、古代ギリシア語とは発音や文法の面でかなり異なっていますが、多くの語彙や表現が連続性を保っています。
このうち現代ギリシア語は現在のギリシャ共和国で公用語として使用されており、日常生活から教育、メディアに至るまで幅広く使われています。
ギリシア語は独自のアルファベットを用い、たとえば”Α, Β, Γ, Δ”のような文字で書かれます。
これらのギリシア文字は英語などで使われるラテンアルファベットにも影響を与えており、西洋文化の基礎となる重要な役割を果たしてきました。
音の響きが柔らかく、美しい抑揚を持つこの言語は、ギリシャの明るい日差しや歴史の深みを感じさせる独特の魅力をたたえています。ギリシア語を学ぶことは、単に言葉を覚えるというだけでなく、ヨーロッパの文化や哲学の源流に触れる旅でもあるのです。
Καλημέρα(カリメーラ)・・・おはよう

Καλημέρα(カリメーラ)
”Καλημέρα(カリメーラ)”は、現代ギリシャ語で「おはようございます」に相当する挨拶の言葉です。
直訳すれば「良い一日を」という意味になり、”καλή(良い)”と”μέρα(日)”という2つの単語から成り立っています。
この表現は朝に誰かと会ったときや、朝の時間帯に誰かに話しかけるときによく使われます。
使われる時間帯としては、日の出から正午頃までが一般的で、日本語の「おはよう」と同じ感覚で用いられますが、もう少し丁寧で広い範囲の挨拶として機能することもあります。
ギリシャでは、家族や友人に対しても、通りすがりの知らない人に対しても”Καλημέρα”と声をかけることが珍しくなく、朝の挨拶として非常に自然で日常的な言葉です。
また、語尾に敬称をつけて”Καλημέρα σας(カリメーラ サス)”という形で、より丁寧な表現にすることもできます。
シンプルで親しみやすく、しかも文化的な温かみを感じさせるこの言葉は、ギリシャ語を学ぶ最初の一語としても非常に適しています。
Καλησπέρα(カリスペーラ)・・・こんにちは

Καλησπέρα(カリスペーラ)
”Καλησπέρα(カリスペーラ)”は現代ギリシャ語で「こんにちは」または「こんばんは」と訳される挨拶の言葉です。
主に午後の早い時間から日没後くらいまでに使われる表現で、日本語の「こんにちは」と「こんばんは」の中間のような役割を果たしています。
語源は”καλή(良い)”と”σπέρα(晩)”から成っており、「良い夕方を」という意味になります。
この言葉は日常生活のあらゆる場面で使われ、たとえば仕事終わりに同僚と会ったときや午後に店へ入ったときの挨拶として自然に交わされます。
カジュアルな会話でもフォーマルな場でも使える便利な表現であり、時間帯に応じた気配りのある言葉として親しまれています。
またより丁寧な形としては”Καλησπέρα σας(カリスペーラ サス)”と言うこともできます。
”Καλησπέρα”は単なる挨拶にとどまらず、相手に対して一日を快適に過ごしてほしいという温かい気持ちを込めた表現でもあります。
ギリシャの人々の親しみやすさや礼儀を感じ取ることができる、美しい日常語のひとつです。
Καληνύχτα(カリニフタ)・・・こんばんは

Καληνύχτα(カリニフタ)
”Καληνύχτα(カリニフタ)”は、現代ギリシャ語で「おやすみなさい」または「良い夜を」という意味の挨拶表現です。
語源は”καλή(良い)”と”νύχτα(夜)”から成り立っており、直訳すると「良い夜を」となります。
この言葉は夜に誰かと別れるときや、就寝前に交わす優しいひと言として使われます。
”Καληνύχτα”はカジュアルな日常会話から丁寧な場面まで広く使える挨拶で、家族や友人との別れ際にはもちろん、ホテルのスタッフや店員との会話の終わりにも自然に用いることができます。
より丁寧に伝えたい場合は、”Καληνύχτα σας(カリニフタ サス)”と敬称を添えることもあります。
この挨拶は単なる別れの言葉ではなく、相手の夜の時間が穏やかでありますように、という思いやりの気持ちが込められており、ギリシャの文化らしい温かさが感じられる表現です。
落ち着いた響きと共に心地よい一日の終わりを締めくくるための、美しく親しみやすい言葉といえるでしょう。
Τι κάνετε;(ティ カーネテ?)・・・お元気ですか?

Τι κάνετε;(ティ カーネテ?)
”Τι κάνετε;(ティ カーネテ?)”は、現代ギリシャ語で「お元気ですか?」や「ご機嫌いかがですか?」といった意味を持つ丁寧な挨拶表現です。
直訳すると「あなたは何をしていますか?」という意味になりますが、実際には相手の体調や気分を気遣う挨拶として使われます。
最後につけられた”;(セミコロン)”は疑問符となっています。
ギリシア語においては他の言語のように”?”の疑問符は用いられず、疑問文の最後には”;”をつけるのが古くからの慣例となっています。
この表現はフォーマルな場面に適しており、初対面の相手や目上の人、または丁寧に接したい相手に対して用いられます。
たとえばビジネスの場や店での会話、礼儀を重んじるような状況で自然に使われます。
よりカジュアルな場面では、
”Τι κάνεις;(ティ カーニス?)”
という形になり、これは親しい友人や家族などに対して使われます。
返答としては
”Καλά, ευχαριστώ.(カラ、エフハリストー)”=「元気です、ありがとう」
のように続けることが一般的です。
ギリシャでは挨拶と共にこうした一言を交わすことが、相手に対する関心や思いやりの表現とされており、会話の最初に交わす大切な習慣でもあります。
”Τι κάνετε;”は、シンプルながら人間関係を円滑にする役割を担っており、言葉だけでなくその裏にある文化的な心配りの精神をも感じさせる、美しい表現のひとつです。
Με λένε ~.(メ レーネ ~.)・・・私の名前は~です。

Με λένε ~.(メ レーネ ~)
”Με λένε ~.(メ レーネ ~)”は、現代ギリシャ語で「私の名前は~です」という意味を持つ、自己紹介の基本的な表現です。
直訳すると「私を~と呼びます」という構造になっており、”με(メ)”は「私を」を意味する目的格の代名詞、”λένε(レーネ)”は「彼らが呼ぶ」という意味の動詞”λέω(言う・呼ぶ)”の三人称複数形です。
この文法構造は日本語や英語のような主語を前に出す形とは異なり、ギリシャ語独特の感覚が表れています。
「人々は私を〜と呼びます」というニュアンスがあり、日常的かつ自然な自己紹介として広く用いられています。
たとえば「私の名前はタナカです」と言いたい場合は、”Με λένε Τανακα.” となります。
この表現はフォーマルにもカジュアルにも使うことができ、初対面の場面や親しい人との自己紹介の場面など、あらゆるシチュエーションで活躍します。
またより形式的に名前を伝えたい場合には”Ονομάζομαι ~.(オノマーゾメ ~)”という表現もありますが、”Με λένε ~.”の方が口語的で親しみやすく一般的です。
このフレーズを覚えることで、ギリシャ語での会話の第一歩を踏み出すことができ、相手との距離をぐっと縮めることができるでしょう。
シンプルで使いやすく、かつ文化的背景も反映された表現です。
Είμαι ~ χρονών.(イーメ ~ フロノーン)・・・私の年齢は~歳です。

Είμαι ~ χρονών.(イーメ ~ フロノーン)
”Είμαι ~ χρονών.(イーメ ~ フロノーン)”は、現代ギリシャ語で「私は〜歳です」と年齢を伝えるときに使う表現です。
文頭の”Είμαι”は「私は〜である」という意味の動詞”είμαι(イーメ)”の一人称単数形で、「私は〜です」にあたります。
そして”χρονών(フロノーン)”は「歳」や「年齢」を表す語で、直訳すると「〜年分の(人)」といった意味になります。
たとえば「私は30歳です」と言いたい場合は、
”Είμαι τριάντα χρονών.”(イーメ トリアンダ フロノーン)
となります。
”χρονών”という語は複数形になっている点に注意が必要で、年齢を表すときには常にこの形で使われます。
また前に置く数字も基本的には中性形を使いますが、初級段階では単に数字をそのまま覚えれば十分に通じます。
この表現は、カジュアルにもフォーマルにも使えるため、自己紹介の場面や会話の流れで年齢を伝えたいときにとても役立ちます。
ギリシャ語の会話では、名前や出身地と並んで年齢もよく話題にされる情報のひとつであり、このフレーズを使いこなせれば会話の幅が自然に広がっていきます。
全体としてはシンプルな構文ながら、動詞と名詞の基本的な使い方が凝縮されているため、初学者にとってギリシャ語の構造に親しむ良い練習にもなる表現です。
以下はギリシア語における1~10の数詞と、その読み方となっています。
数 | 数詞(ギリシア語) | 読み方 |
---|---|---|
1 | ένα | エナ |
2 | δύο | ディオ |
3 | τρία | トゥリア |
4 | τέσσερα | テセラ |
5 | πέντε | ペンデ |
6 | έξι | エクシ |
7 | επτά、εφτά | エプタ、エフタ |
8 | οκτώ、οχτώ | オクトー、オフトー |
9 | εννέα、εννιά | エネア、エニャ |
10 | δέκα | デカ |
11以降の数詞は、基本的に10を意味する”δέκα”に1〜9の数詞が複合される形で構成されます。
たとえば11は”έντεκα(エンデカ)”、12は”δώδεκα(ドーデカ)”といったふうに、11と12は独立した形を持っていますが、13以降は「10+数字」の法則が明確になります。
20以降も同じように、20を表わす”είκοσι(イコシ)”に、それぞれの数詞が付きます。
基本的に英語の数詞と同じ法則性であると言えます。
Ναι(ネー)・・・はい

Ναι(ネー)
”Ναι(ネー)”は、現代ギリシャ語で「はい」を意味する非常に基本的で重要な言葉です。
英語の”Yes”に相当し、肯定の返事や同意を示すときに使われます。
発音は「ネー」とやや引き伸ばすように発音され、日本語話者にとっては聞き慣れない響きかもしれませんが、非常に日常的に使われる表現です。
注意すべき点は、”Ναι”が日本語や英語の「ノー」に近い音で発音されるため、初学者にとって混乱を招きやすいということです。
たとえば、会話の中で「ネー」と聞くと、つい否定されたような印象を受けるかもしれませんが、実際には強い肯定を表しています。
そのため、ギリシア語学習の初期段階では特にこの言葉と、否定の”Όχι(オーヒ)”とを混同しないように意識することが大切です。
使用される場面は非常に幅広く、日常会話はもちろんのこと、買い物、レストラン、旅行先での確認、あるいは丁寧に相手の話に同意するときなど、あらゆる場面で自然に使われます。
また、より強調した形で返事をしたい場合には、”Ναι, βεβαίως.”(はい、もちろんです)のように、後ろに副詞を添えることで、より丁寧で確信のある肯定を表現することもできます。
シンプルで短い一語ながら、文化的にも会話的にも非常に頻繁に登場する言葉であり、ギリシア語における最も基本的な受け答えの一つとして、真っ先に覚えておくべき表現です。
Όχι(オーヒ)・・・いいえ

Όχι(オーヒ)
”Όχι(オーヒ)”は現代ギリシャ語で「いいえ」を意味する、明確な否定を表す基本的な語です。
相手の質問や提案に対して拒否したいとき、あるいは事実を否定したいときに用いられ、英語の”No”や日本語の「いいえ」に相当します。
発音は「オーヒ」となり、語尾の”χ”は日本語にはない硬めの喉音で、息を強く吐くように発音するのが特徴です。
この言葉は、ギリシャ語を学び始めた人にとって”Ναι(はい)”と並んで最も重要な語の一つですが、”Ναι”が「ネー」、”Όχι”が「オーヒ」と発音されるため、特に日本語話者にとっては直感と逆に感じられることがあり、注意が必要です。
実際”Ναι”が英語の”No”に似た音、”Όχι”が英語の”OK”に近い響きを持っているように感じられるため、最初のうちは混乱を避けるためにも、繰り返し音声で慣れることが大切です。
また”Όχι”という語は、ギリシャの現代史においても特別な意味を持ちます。
第二次世界大戦中1940年10月28日に当時のギリシャ首相イオアニス・メタクサスが、イタリアからの最後通牒に対して”Όχι(いいえ)”と断固として拒否したことが記憶されており、この日は「ΟΧΙの日(オーヒのひ)」として現在も国民の祝日とされています。
そのため、”Όχι”という語には、単なる否定の意味を超えて、誇りや独立の象徴としてのニュアンスも込められることがあります。
日常の会話ではもちろんのこと、文化的にも深い意味を持つこの一語は、ギリシャ語の語彙の中でも特に印象深く、実用性と象徴性をあわせ持つ重要な表現です。
Συγγνώμη(シグノーミ)・・・ごめんなさい

Συγγνώμη(シグノーミ)
”Συγγνώμη(シグノーミ)”は現代ギリシャ語で「ごめんなさい」や「失礼しました」、「すみません」といった意味を持つ、謝罪や呼びかけの際に使われる非常に重要な表現です。
語源的には、”συν(共に)”と”γνώμη(意見・認識)”という語が結びついており、「共に理解する」「理解を求める」といった意味合いを含んでいます。
つまり謝罪だけでなく、相手の理解や許しを請う気持ちが込められている言葉です。
この表現は誰かにぶつかってしまったときや、会話に割り込むとき、あるいは許しを乞う場面など、日常のさまざまな場面で自然に使われます。
たとえば道をたずねるときにまず”Συγγνώμη”と声をかけることで、相手に丁寧な印象を与えることができます。
英語の”Excuse me”に非常に近い使い方もされるため、単なる「謝る言葉」というよりも、相手との距離を適切にとるための礼儀的な言葉とも言えるでしょう。
またより丁寧にしたい場合には、”Συγγνώμη σας(シグノーミ サス)”と敬称を添えることで、よりフォーマルな印象になります。
逆に親しい相手とのカジュアルな会話では、短く”Συγγνώμη”だけでも十分に気持ちは伝わります。
感情や状況に応じて幅広く使えるこの言葉は、ギリシャ語を学ぶうえで非常に実用的であり、また文化的な礼儀を理解する手がかりにもなる表現です。
発音の響きも柔らかく使用頻度も高いため、初期の段階でしっかり身につけておきたい一語といえるでしょう。
Ευχαριστώ(エフハリストー)・・・ありがとうございます

Ευχαριστώ(エフハリストー)
”Ευχαριστώ(エフハリストー)”は現代ギリシャ語で「ありがとう」を意味する非常に基本的かつ頻繁に使われる表現です。
誰かに何かをしてもらったときや親切に対して感謝を伝える際に使う、礼儀正しく温かい言葉です。
語源的には”ευ(良い・喜ばしい)”と”χαριστώ(私は感謝する)”という語が結びついており、「私は喜んで感謝します」「感謝の気持ちを持っています」といった意味合いが含まれています。
この構造はギリシャ語らしい叙情的で丁寧な響きを生み出しており、単なる形式的な挨拶というより、感情のこもった敬意を示す言葉といえるでしょう。
日常会話ではちょっとしたことに対しても気軽に”Ευχαριστώ”と言う文化があり、たとえばレストランで注文を受け取ったとき、買い物をしたとき、道を教えてもらったときなど、あらゆる場面で自然に用いられます。
より丁寧に言いたい場合は、
”Ευχαριστώ πολύ(エフハリストー ポリ)”
とし、「どうもありがとうございます」という形になります。また、フォーマルなやり取りでは、
”Σας ευχαριστώ(サス エフハリストー)”=「あなたに感謝します」
という言い方もよく使われます。
この表現をきちんと使いこなせることは、ギリシャ語でのコミュニケーションにおいて最も基本的な礼儀の一つです。
発音はやや長めですが音の流れが美しく、口にすることで自然と感謝の気持ちが表れるような、温かい響きを持った言葉です。
ギリシャ語を学び始めたら真っ先に覚えるべき心のこもった一語と言えるでしょう。
Αντίο(アディオ)・・・さようなら

Αντίο(アディオ)
”Αντίο(アディオ)”は現代ギリシャ語で「さようなら」や「じゃあね」といった意味を表す別れの挨拶です。
友人や家族との気軽な別れのときにも使えますし、丁寧な場面でも通用する、非常に広く使われる表現です。
語源は古いギリシャ語の”εις το αντίον”=「反対方向へ(行く)」という意味の表現に由来するとされており、物理的にも心理的にも離れることを穏やかに示す言葉となっています。
この言葉は時間帯や状況を問わず使うことができ、朝でも夜でも、また数時間の別れでも永遠の別れでも、場面に応じたトーンで自然に使うことができます。
ただし、やや正式で落ち着いた響きを持つため、親しい間柄でのカジュアルな別れには、
”Γεια σου(ヤー ス)”
”Τα λέμε(タ レーメ)”=「またね」
のような表現が選ばれることもあります。
また、”Αντίο σας(アディオ サス)”という形で敬意を込めた丁寧な言い方にすることもでき、公的な場や目上の人との別れなどにも適しています。
発音も比較的簡単で明瞭なため、ギリシャ語初心者にとっても覚えやすく、旅行や短期滞在でもすぐに活用できる言葉です。
”Αντίο”にはただの別れ以上に、相手への敬意や静かな余韻を残すような文化的ニュアンスもあり、ギリシャ語らしい情感のある挨拶の一つとして親しまれています。
穏やかに言葉を交わしながら別れるギリシャ人の姿勢が、この一語には込められているのです。
ギリシア語のおすすめ参考書
ここからは、ギリシア語を学ぶ際のおすすめの書籍をご紹介しています。
参考書によって、レベルや学べる内容が異なりますので、ご自身の目的に合った参考書を選ぶ事をおすすめします。
ニューエクスプレスプラス 現代ギリシア語
『ニューエクスプレスプラス 現代ギリシア語』は、初学者向けの入門書として非常にバランスの取れた一冊です。
現代ギリシア語に初めて触れる学習者にとって文法や語彙が無理なく段階的に紹介されており、全体を通して丁寧な導入がなされています。
発音の説明も比較的わかりやすく、巻頭の解説によってアルファベットや読み方に自然と親しむことができる構成になっています。
音声が付属している点も大きな魅力で、独学者でもリズムやイントネーションを耳から学ぶことができ、実際の会話をイメージしやすくなっています。
日常会話を想定した短いダイアログが各課にあり、簡単なやりとりから文法事項までを一貫して学べる点も、このシリーズらしい特徴です。
内容自体は旅行会話の域を少し超える程度で、文法の全体像を掴むには別の教材が必要になるかもしれませんが、導入口としては十分な質と量が確保されています。
ただ、語彙の定着や文法練習のための演習問題が少なめであるため、復習や実践練習のために別途ノートなどで補う必要があるかもしれません。
そしてギリシア語という言語の特性上、文字に慣れるまでやや時間がかかる部分はあるものの、その点を差し引いても、独学で始めるには安心感のある内容です。
全体として軽快に読めるテキストでありながら、文化的背景やちょっとしたコラムも挿入されており、ギリシャという国や人々に対する親しみを自然に育んでくれる一冊です。
ギリシア語を身近に感じながら楽しく始めたい人には、最初の選択肢として十分に薦められる内容となっています。
新装版 ゼロから話せる現代ギリシャ語
『新装版 ゼロから話せる現代ギリシャ語』はまさにタイトル通り、ギリシア語の完全な初心者に向けて作られた実用性重視の入門書です。
ギリシャ文字に不慣れな読者でも無理なく読み進められるよう、ラテン文字による発音表記が併記されており、ギリシア文字のアルファベットの学習に不安を持つ学習者でもとっつきやすい構成になっています。
とくに旅行や日常的な会話を意識したダイアログが豊富で、形式ばった文法解説よりも使える表現を自然に覚えていける点に重点が置かれています。
本書は文法の体系的な説明よりも、フレーズの習得を通じた実用的な言語感覚を養うことに重きを置いており「話せるようになる」ことを第一に設計されています。
そのためある程度の文法的理解を深めたい学習者には物足りなさを感じさせるかもしれませんが、日常のやりとりや旅行先でのコミュニケーションを目的とする人には、非常に即効性のある内容となっています。
音声CDも付属しており、発音の確認やリスニング練習に役立つのはもちろん、独学者がギリシア語のリズムや抑揚を体で覚えるのにも適しています。
視覚的にも工夫がなされており、見やすいレイアウトやカジュアルな語り口によって肩肘張らずに読み進めることができるのもこの本の魅力です。
全体を通して堅苦しさがなく、ギリシャ語という一見とっつきにくい言語をぐっと身近に感じさせてくれる構成になっています。
日常表現に特化しているぶん、文法を網羅的に学びたい場合には他の参考書との併用が望ましいですが、ギリシア語に対する第一歩としては親しみやすく安心して取り組める一冊です。
現代ギリシア語文法ハンドブック
『現代ギリシア語文法ハンドブック』は、初級を脱した学習者やギリシア語の構造を体系的に理解したいと考える人にとって非常に有用な一冊です。
内容はコンパクトにまとめられていながらも、名詞・形容詞・動詞の変化や語順、再帰動詞や前置詞の使い方など、ギリシア語の文法の核心部分を過不足なく取り上げています。
初級教材では触れられにくい細かい文法事項や例外的な用法についても丁寧に記されており、信頼できる参考書として学習の中核に据えることができます。
この本の特徴は文法的な項目が見出しごとに整理されていて、必要な情報にすばやくアクセスしやすい点にあります。
例文には対訳がついており、抽象的な説明に終始せず実際の使われ方を確認しながら理解を深めることができる構成となっています。
とはいえあくまで文法書であるため、学習をゼロから始めたい人にとっては少々とっつきにくく感じるかもしれません。
ある程度ギリシア語に触れてきた人が、知識を整理したり文法的な裏付けを確認したりする用途に向いていると言えるでしょう。
視覚的には落ち着いた構成で学術的すぎず、かといって軽すぎない絶妙なバランスが保たれています。
教科書の補助資料として、また独学者の手元に置く信頼の置ける一冊として実用性の高い内容です。
ギリシア語の文法にしっかり向き合いたい人にとっては、堅実で使い勝手の良い地に足のついた参考書となっています。
その他のギリシア語の参考書を探したい方は、以下のボタンをタップしてお探しください(Amazonのサイトへ飛びます)
まとめ
いかがだったでしょうか。
この記事ではギリシア語の基礎フレーズ11種をご紹介しました。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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