皆さんこんにちは、syuyaです。
みなさんには好きな本はありますか?
国内・世界の本を問わず、ジャンルは小説でも実用書でも漫画でも構いません。
多分色んな意見が上がると思います。
それでは、あなたの好きなその本はどれだけ売れたものですか?
ちょっと調べてみるのも面白いかもしれませんね。
世界には様々な本が存在し、
アメリカのIT企業Google社が”Google Books”において行った調査によると、世界の本の総数は1億2986万4880冊にも及ぶのだそうです。(2010年時点)
とてもじゃないですが、一生のうちに読み終えられる量ではありませんね。
書物の歴史は古く、人類の文明の開化と共に本は作られ続けてきたと言えます。
そんな書物の内、現在の本と同じ形状で現存する”製本された世界最古の本”は、エトルリアのゴールデンブックと呼ばれるものでした。
https://ja.healthy-food-near-me.com/top-10-most-ancient-books-in-the-world/#1-Etruscan-Golden-Book-660-BC
これは、紀元前660年頃のイタリア半島に住んでいたエトルリア人によって書かれたもので、24枚の金のページで構成されています。
黄金のページとは、何とも豪華ですね。
当時は現在使用されているような製紙技術は無く、文字を記録する媒体としては金などの鉱石や粘土板、羊皮紙などが選ばれていたようです。
現在の製紙技術の元となった技術が発明されたのは後漢時代の中国で、宦官であった蔡倫によるものでした。
その後、1450年頃にドイツの発明家グーテンベルクにより活版印刷術が発明されると、大量の本が作られるようになりました。
それでは、その内最も売れた本とは、どのような本なのでしょうか?
この記事では、世界で最も売れた本のシリーズをランキング形式でご紹介します。
*本記事ではシリーズをひとまとまりの物語として数えている為、複数巻がシリーズとして発行されている場合、それらをひとまとめとして数えています。その為、一冊の本としての発行部数を比較するとランキングの順位が前後する場合もある事をご了承ください。
聖書・・・約50億部以上
著者:複数人いるため特定できず
発行部数:旧約・新約合わせて50億部以上
発行年:旧約聖書はBC4~5世紀、新約聖書は2世紀~3世紀
ジャンル:宗教の聖典
栄えある最も売れた書籍に選ばれたのは、世界三大宗教のひとつであるキリスト教及び、ユダヤ人の宗教であるユダヤ教の聖典である『聖書』です。
この数字は、”聖書”を構成する二つの聖典である旧約聖書と新約聖書の売り上げを合算したものとなっています。
旧約聖書は紀元前4世紀までに書かれました。
いわゆる”旧約聖書”とはタナハ(תַּנַ”ךְ)と呼ばれるユダヤ教の聖典に、アポクリファと呼ばれる追加項目を足した書物の呼称となっています。
タナハの内容は
旧約聖書(タナハ)の内容
・トーラー(律法)
・ネビーイム(預言者)
・ケトゥビーム(楷書)
の3つの主要な部分で構成されており、中でもトーラー(律法)が最も重要な部分となっています。
一方、新約聖書はキリスト教における聖典であり、1世紀から2世紀にかけて、キリスト教徒達によって書かれました。
キリスト教の開祖であるイエス・キリストの生涯や教えについて書かれており、
新約聖書の内容
・福音書
・使徒行伝
・パウロ書簡
・一般書簡
・黙示録
などからなる27の書物で成り立っています。
これら”新約”と”旧約”をそれぞれ合わせて”聖書”と呼称し、世界で最大宗教であるキリスト教の聖典として歴史に大きな影響を与えていきました。
更には、”聖書”を信望するキリスト教徒やユダヤ教徒は”啓典の民”と呼ばれ、後にムハンマドによって開かれたイスラム教においても一定の地位を得ています。
15世紀のドイツでヨハネス・グーテンベルクにより活版印刷術が発明されると、聖書の発行部数の増加が著しくなります。
加えて15世紀半ばから17世紀にかけて、キリスト教国であるスペインやポルトガルなどといった国々が植民地政策を推し進め、その過程で他国にてキリスト教宣教師が聖書を使用して布教するなどしたため、聖書の需要はますます増えていきました。
このような歴史的経緯があって、聖書が歴史上最も売り上げた書物という事になったのです。
毛沢東語録・・・約8億部以上
1967年版”毛主席語録”
Lkjidm – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=89274805による
著者:毛沢東(毛沢東の発言や文章を、後に中国共産党指導部が編集したもの)
発行部数:8億部以上
発行年:1964年に初版発行
ジャンル:語録集
世界で2番目に売れたとされる書籍が、中華人民共和国の建国者である毛沢東の著書である『毛沢東語録』です。
赤い表紙の携帯しやすいサイズの本であった為、英米などの西欧諸国からは”Little Red Book(小さな赤い本)”と呼称されていました。
この本が一般に発行されたのは、中国共産党の中国大陸の支配が確立した後の1966年。
その年、年老いた毛沢東を担ぎ上げた江青夫人を始めとした四人組に主導された、反ブルジョアのプロレタリアート(労働者)革命であった文化大革命が勃発しました。
毛沢東語録はそんな文化大革命の最中、中国人民の思想統制・言論統制の為の手段として利用されます。
学生が主体となった中国共産党のシンパである紅衛兵を始めとし、中国全土の人々に毛沢東語録は配布されたため、当時の中国人民の総数などから8億部以上発行されたものと見られます。
中国・北京の天安門広場にて、一斉に『毛沢東語録』を掲げる中国人民
資本主義にたいする労働者の革命と銘打った革命でしたが、実際の所は当時勢力を増してきていた中国共産党のNO2であった劉少奇に対する権力闘争という側面がありました。
この文化大革命により劉少奇は失脚。
更には資本家や知識人を中心に多数の人々が虐殺され、古来からの中国の伝統や思想が徹底的に破壊されます。
この惨劇が、1976年に毛沢東が死亡し、元凶であった四人組が逮捕されるまで続きました。
この文化大革命の影響により、中国大陸の経済活動自体も停滞を迎えるなど、悲惨な結果を残すこととなります。
1976年に10年続いた文化大革命が終結すると、毛沢東語録の重要性は次第に衰えていきました。
しかし、毛沢東の思考や、初期の中国共産党の政策運営方針などを知る貴重な一次資料として、現代でも研究され続けている資料となっています。
毛沢東語録の内容としては、目次に続いて431ページに渡り、毛沢東の思想や国家の運営方針などが綴られています。
コーラン・・・約8億部
著者:ムハンマド(イスラム教徒にとっては神アッラーフが間接的に記したものとする)
発行部数:約8億部
発行年:632年以降
ジャンル:宗教の聖典
世界で3番目に売れたとされる書籍が、イスラム教の聖典である『コーラン(クルアーン)』です。
コーラン(クルアーン)の内容は、イスラム教の開祖であるムハンマド・イブン=アブドゥッラーフが、彼が40才になった西暦610年頃から度々神(アッラーフ)より受け取っていたとされる啓示を記したものです。
ムハンマドの生存中にはコーランは完成せず、彼の死後に彼の信者たちにより完成されました。
ムハンマドの啓示の記録が一つの聖典として編纂されたのは、ムハンマドの死後の初代カリフ(イスラム教の指導者)アブー・バクルの時代(在位期間632年~634年)であったとされています。
アブー・バクルはムハンマドの親友であり、彼の死後最初に教団のリーダーとなった人物です。
教祖であり絶大なカリスマであったムハンマドを失い、結束が緩んでいた原始イスラム教団を早急にまとめあげる必要があったため、コーランを編集したと言われています。
コーランの内容は114の章と、それぞれの章に複数の節がある構成で成り立っています。
コーランの内装
全てアラビア語で書かれており、コーランに書かれたアラビア語は現代においても文語(フスハー)として尊重され、地域によって大きく違いがあるアラビア語の使用者が共通して理解できる言葉となっています。
また、コーランはアラビア語の文学作品としても一級品であるとされています。
その見事さは、元来詩などといった美麗な文章を書いたり読んだりするのが好きであったアラブ人達が、コーランの文章の美しさに心惹かれて、当時新興宗教であったイスラム教に入信したという程でした。
コーランの内容としては、唯一神であるアッラーの実在と絶対性の記述を始めとして、ムハンマドが最新にして最後の預言者であるとする旨などが記されています。
また、イスラム教徒が守るべき法やモラルなども記されており、これが現代でも使用されるのイスラム法の重要な型となりました。
世界のイスラム教徒の人口は現在16億人以上を数え、また予測では今後も増加の傾向にあると言われている事から、イスラム教の聖典であるコーランの発行部数もまた増えていくと思われます。
ハリー・ポッターシリーズ・・・約6億部
イギリスで発行された原作第一章”賢者の石”の初版版
https://www.cinematoday.jp/news/N0028305
著者:J・K・ローリング
発行部数:約6億部
発行年:第一作目”賢者の石”の初版発行日1997年6月27日
ジャンル:児童小説(ファンタジー)
4番目に売れたとされる書籍(シリーズ)が、イギリスの作家J・K・ローリングによって執筆された児童小説である『ハリー・ポッターシリーズ』です。
魔法使いが実在する世界を舞台に、悪の魔法使いヴォルデモートの魔の手から唯一生き残った少年ハリー・ポッターの活躍を描く物語です。
イギリスにて児童小説として発売された本作は、子供のみならず大人をも魅了し、更には全世界に翻訳・発売され、世界中で”ハリー・ポッターブーム”を巻き起こした歴史的名作です。
ハリーポッター第一巻”ハリーポッターと賢者の石”冒頭のあらすじ
親戚のダーズリー家に幼少期に引き取られて以降、性格の悪いダーズリー家の人間に虐められ肩身の狭い思いをしていたハリー・ポッターの元に、ある日一通の手紙が届きます。
その手紙には、実はハリーが魔法使いであるという事。
そして魔法使いのみが通える学校であるホグワーツ魔法魔術学校に、ハリーにも入学資格があるという事が書かれていました。
喜ぶハリーに対し、頑なにホグワーツへの入学を認めないダーズリー家の人間達。
ダーズリーからしてみれば、魔法という訳の分からない力をハリーに与えて、自分たちに反抗される訳にはいかなかったのでした。
そんなある日、ホグワーツの庭師であるハグリッドがハリーとダーズリー一家の元へ訪れます。
ハグリッドは魔法嫌いでいじわるなダーズリー一家に、ホグワーツに行くことを妨害されることを見越したホグワーツの校長であるアルバス・ダンブルドアに遣わされたのでした。
それでもハリーをホグワーツに行かせまいとするダーズリーに、ハグリッドは魔法を使うなどをして脅かし、半ば強引にハリーをホグワーツに連れて行く事になるのでした。
ハリーは何もかもが新鮮な魔法の世界で、後に親友となるロン・ウィーズリーやハーマイオニー・グレンジャー。
学校生活を通して対立する事となるドラコ・マルフォイなどといった人々と出会い、ホグワーツ魔法魔術学校に通う”魔法使い”として、新たな人生を始めたのでした。
作者であるJ・K・ローリングはイギリス人のシングルマザーであり、30才の時にハリーポッターの原稿を書き上げました。
完成したハリー・ポッターの原稿を出版社に送るも、どこからも断られてしまいます。
その後、最終的にイギリスの出版社であるブルームズベリー・パブリッシング社が出版契約を結びました。
そして1997年6月27日に、シリーズ第一巻である『ハリー・ポッターと賢者の石』の初版本が発売される事となります。
そして発売されるや否や口コミで話題を集め、数々のイギリスの文学賞を受賞します。
そして、アメリカ合衆国の出版社であるスカラスティック社がハリー・ポッターシリーズのアメリカでの権利を買収すると、1998年9月に”賢者の石”を発行し、こちらもベストセラーとなります。
日本でも静山社が権利を買い取り1999年12月8日に出版するなど、その人気は英語圏のみならず全世界に広まり、人類史に残るほどの大ベストセラーとなりました。
そして、2001年にはアメリカの映画製作会社であるワーナー・ブラザーズ制作で、主人公のハリー・ポッター役にダニエル・ラドクリフを起用した映画『ハリー・ポッターと賢者の石』が公開され、こちらも世界中で大ヒットとなります。
この映画ハリーポッターシリーズは世界中で大ヒットし、日本においても歴代映画興行収入第7位の203億円を記録するなど、大ヒットしています。
こうして、ホグワーツ魔法魔術学校に入学したハリーの活躍を描いたこのシリーズは、第7作目であるハリー・ポッターと死の秘宝まで続きました。
シリーズの世界累計発行部数は6億部を超え、世界中で親しまれる物語となります。
後に、ハリーポッターの世界観での出来事を描いた映画シリーズである『ファンタスティック・ビースト』シリーズが公開されるなど、その人気は2023年現在も留まるところを知りません。
ドン・キホーテ・・・約5億部
1605年に出版された初版のドン・キホーテの表紙
著者:ミゲル・デ・セルバンテス
発行部数:約5億部
発行年:1605年
ジャンル:小説
5番目に売れたとされる書籍が、16世紀のスペインの小説家であるミゲル・デ・セルバンテスによる小説である『ドン・キホーテ』です。
騎士道物語を読みすぎて自らを物語に登場するような”立派な騎士”であると勘違いしたアロンソ・キハーノが、自ら騎士”ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ”と名乗り、近所に住んでいた農夫サンチョ・パンサと共に冒険の旅に出るという物語です。
スペインの首都マドリードのスペイン広場に立つドン・キホーテとサンチョ・パンサ像
”近代小説の祖”とも呼べる作品であり、後の多くの小説に影響を与えた作品です。
また同時代の作家たちにも多大な影響を与え、イギリスの劇作家であるウィリアム・シェイクスピアもセルバンテスのドン・キホーテを読んでいたとされます。
前編が1605年にや否やスペイン中で評判となり、続く後編が1615年に発売されるとこちらも大ベストセラーとなります。
前編の印税だけでとてつもない額になったはずですが、セルバンテスは版権を安く売り渡してしまっていたため、生活は豊かにはなりませんでした。
それでも創作活動を愛していたセルバンテスは続く後編をかき上げ、1615年に後編が発売されます。
そして、その翌年の1616年にこの世を去りました。
発売当初はこの作品”ドン・キホーテ”を、”自分を騎士だと思い込んだ間抜けな男の笑い話”として、一種のコミカル小説として人々は評価していました。
しかし、後の時代の人々はこの物語に様々な解釈を付します。
ヨーロッパを支配していた中世の古い騎士道精神を打ち倒し、新たな精神の萌芽を祝福した風刺作品
という解釈や、
騎士道精神に憧れつつも、本物の騎士にはなれない悲しい男アロンソ・キハーノを描いた悲劇作品
等といった解釈まで、様々な解釈がなされました。
多くの解釈がされるという事は、それだけ人気があったという事ですね。
後にドン・キホーテは音楽界や演劇界などの演目の題材となったりなど、その影響は文学界に留まりませんでした。
また、日本ではディスカウントショップ最大手の全国チェーン店である”ドン・キホーテ”がこの小説から名前を借用しています。
ドンキホーテ創業者の安田隆夫氏曰く
”既成の常識や権威に屈しないドン・キホーテのように、新しい流通業態を創造したい”
という願いを込めて、この小説の主人公の名前を頂いたそうです。
”理想の騎士”を目指して邁進したドン・キホーテの固い意思は、遥かに時代が下って日本の物流界にも影響を与えたのかもしれませんね。
ONE PIECEシリーズ・・・約5億部
https://www.s-manga.net/items/contents.html?isbn=4-08-872509-3
著者:尾田栄一郎
発行部数:約5億部(記録更新中)
発行年:第一巻1997年12月24日
ジャンル:少年漫画(海賊冒険物語)
6番目に売れたとされる書籍(シリーズ)が、日本の漫画家である尾田栄一郎氏によって描かれた漫画である『ONE PIECEシリーズ』です。
日本の大人気週刊少年誌である週刊少年ジャンプの1997年34号から連載がスタートした海賊冒険漫画です。
連載当初から当時の子供たちの間で莫大な人気を得る事に成功し、以後2024年現在まで27年間に渡り連載し、今なお続いている大長編漫画です。
ONE PIECE 第一話のあらすじ
東の海(イーストブルー)の平和な港町に住む6才の少年モンキー・D・ルフィは、街に滞在していた海賊である赤髪のシャンクスに憧れ、自身も海賊になるとシャンクス達に宣言します。
しかし、シャンクスはそんなルフィを軽くあしらいつつ、面白い少年であるルフィをからかいながら仲良く遊んでいました。
そんなある日、シャンクスが敵船から奪った”食べると海で泳げなくなる代わりに、超常的な能力を得る事が出来る果実”である”悪魔の実”のひとつ、”ゴムゴムの実”をルフィは知らずに食べてしまいました。
こうして、ルフィは身体がゴムのように伸び縮みする”ゴム人間”となってしまいます。
その後、山賊のヒグマに攫われ海の上に拉致されたルフィは、巨大な海の怪物である”近海の主”に襲われて食べられそうになってしまいます。
そんなルフィを、シャンクスは自らの左腕を犠牲に助け出したのでした。
謝るルフィに対し、”腕の一本くらい安いものだ”と笑って慰めるシャンクス。
その時から、ルフィはシャンクスのような立派な海賊になる事を決意したのでした。
そのような事があった後、シャンクスはフーシャ村を去ることになりました。
別れを惜しむルフィに対し、シャンクスは自らのトレードマークであった麦わら帽子をルフィに預け、いつか立派な海賊になったら返しに来るように伝え、港を出るのでした。
その後17才となったルフィは小さな小舟に乗って出港します。
夢は、海賊王ゴールド・ロジャーが残したとされる”ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)”を探し出して、”海賊王”となる事でした。
こうして、後に”麦わらのルフィ”と呼ばれることになる海賊の冒険の旅が始まったのでした。
主人公のモンキー・D・ルフィを始め、尾田栄一郎先生が描く数々のキャラクターはいずれも個性的かつ魅力的なキャラクターばかりです。
そんなキャラクター達のコミカルな性格が描かれる反面で、そのセリフの随所には人の心を打つような”人生の核心”をついたようなセリフも多々あり、それらの中には大人の心をも動かすような名セリフも多数にあります。
その事から、少年のみならず大人の支持をも得ている作品です。
そして、人気は日本に留まらず世界中へと広がり、2022年には世界でのシリーズ累計発行部数が5億1000万部を超えるという大記録を達成しました。
この事から、”最も多く発行された単一作者によるコミックシリーズ”としてギネス世界記録(R)に認定されるなど、漫画界のレジェンドとも呼べる作品となっています。
また、1999年の10月20日よりフジテレビ系列でアニメ化もされており、こちらも2023年現在まで続く長寿アニメとなっています。
2023年において、30年近く続いたシリーズも最終章に入ったと言われています。
ですが、今後もこの発行部数の記録は伸び続ける事が予想され、もしかしたら聖書を超えるベストセラーになるかもしれませんね。
指輪物語三部作・・・訳4億4000万部
1954年から1955年にかけて出版された”指輪物語シリーズ”の初版本
https://www.bishopsstortfordindependent.co.uk/whats-on/first-editions-of-tolkiens-lord-of-the-rings-going-under-th-9268683/
著者:J・R・R・トールキン
発行部数:約4億4000万部
発行年:第一作目”The fellowship of the ring”の初版発行1954年7月29日
ジャンル:ハイ・ファンタジー小説
7番目に売れたとされている書籍シリーズは、イギリスの作家J・R・R・トールキンによるハイ・ファンタジー小説である『指輪物語シリーズ』3部作です。
冥王サウロンを滅ぼすため、ホビット族の少年フロド・バギンズと9人の仲間たちが結束し旅をする物語です。
サウロンを滅ぼすためには、持つものが世界を統べると言われ”指輪”を破壊する必要がありました。
そして、唯一指輪を破壊する手段である”オロドルイン火山に指輪を投げ込む”という目的を達成するために、ホビット族、人間、エルフ、ドワーフが種族の壁を超えて結束し旅をする物語となっています。
1937年9月21日に出版された『ホビットの冒険』の続編小説で、同作の反響を受けて急遽続編を制作する事となったという背景があります。
全三部作からなっており、第一部が『旅の仲間』で、第二部が『二つの塔』、第三部が『王の帰還』となっています。
指輪物語は、後に登場する多くのファンタジー作品に多大な影響を与えます。
中でも、本作に登場するトールキンが考え出したオリジナルの亜人類である”エルフ””ドワーフ””ホビット”という種族の設定は、後の世界中の創作物にも登場するなどし、その影響力が伺えます。
日本のサブカルチャーにおいてもエルフが題材の作品が多数登場するなど、この設定はトールキンの創造物を超えて普遍的な概念となりつつあるようです。
第一作目の発行から50年近く経った2001年には、ピーター・ジャクソン監督により三部作の一作目である『旅の仲間』が『ロード・オブ・ザ・リング(The Lord of the Rings)』として映画化され、大ヒットを記録しました。
指輪物語シリーズの世界観は、後に発売される多くのファンタジー作品に多大な影響を与え、”現代ファンタジーの祖”といっても良いほどの名作中の名作となっています。
二都物語・・・約2億部
初版本の”二都物語”の表紙
著者:チャールズ・ディケンズ
発行部数:約2億部
発行年:第一巻の初版発行年1859年
ジャンル:歴史小説
世界で8番目に売れたとされる書籍が、イギリスの作家チャールズ・ディケンズによって書かれた『二都物語』です。
全三巻から構成されており、第一巻は1859年に発刊されました。
フランス革命期のロンドンとパリを舞台にした歴史小説であり、タイトルの”二都”とはこの2つの都市を指しています。
世界で約2億部を売り上げ、”世界で最も売れた歴史小説”とも言われています。
フランス革命期の激動の時代において、ルーシー・マネットという一人の女性と、彼女を愛するチャールズ・ダーニーとシドニー・カートンという二人の青年が時代の荒波に翻弄される物語です。
本作はその三人の恋愛模様を主軸としつつ、フランス革命という狂気と混乱の時代を生々しく描写している事からも、歴史小説としての評価も高い作品となっています。
物語の冒頭の
It was the best of times, it was the worst of times(これは最高の時代であり、最悪の時代であった)
という一文は、フランス革命を端的に表した名文として、後世にまで残る文章となりました。
後に映画や舞台などで題材とされ、多くの人に親しまれる物語となります。
星の王子さま・・・約2億部
https://monsieurk.exblog.jp/18687676/
著者:アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
発行部数:約2億部
発行年:1943年
ジャンル:児童文学
二都物語と同じく、世界で8番目に売れた書籍がフランス人作家アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリによって書かれた児童小説である『星の王子さま』です。
1943年に発売されて以降、2023年現在まで約2億部売れており、上記の”ハリー・ポッターシリーズ”が発売されるまでは世界で最も売れた児童小説でした。
星の王子さまのあらすじ
物語は、サハラ砂漠で飛行機が不時着し、遭難した飛行士である”ぼく”が、地球外の小惑星から地球に降り立った”星の王子さま”と出会う所から始まります。
星の王子さまは、地球に来る前に6つの星を訪れており、それぞれの星で個性的で変な大人とばかり出会ってきました。
その後、地球に降り立った星の王子さまは”ヘビ”や”キツネ”といった生物と出会い、彼らと交流したといいます。
そんな”星の王子さま”の話を聞いている間も、”ぼく”は壊れた自分の飛行機の修理を続けます。
そうして”星の王子さま”と話している内に、徐々に”ぼく”にとって”星の王子さま”の存在が大切なものとなっていきました。
その後、飛行機を修理することが出来た”ぼく”は、急に”星の王子さま”から別れを告げられます。
話を聞くと、1年前と夜空の星の位置が同じ時に、ヘビに噛まれる事により自分の星に帰れるというのです。
”星の王子さま”との別れを悲しむ”ぼく”に、星の王子さまは、
”自分は自分の星に帰るだけ。夜空を見上げて、その中に見える星のどこかで自分は笑っていると想像して。そうしたら、全ての星が笑っているように見えるはずだから。”
と”ぼく”を慰めて、自分の星に帰る為にヘビに噛まれます。
すると、星の王子さまは倒れ、その体は消滅してしまいました。
星の王子さまと別れた”ぼく”は夜空を見上げます。
そして、星の王子さまが笑っていると考えた時は夜空の星は笑っているように見え、
星の王子さまが悲しんでいると考えた時は、夜空の星は涙を流して悲しんでいるように見えたのでした。
本作は児童小説と呼ばれていますが、その隠れたターゲットは成人した大人でもあります。
本作品は様々な示唆に富み、大人になる過程で子供心を無くしてしまい大切なものを見失ってしまった大人たちへ、もう一度
”本当に大切なものは何か”
を気づかせる狙いが、星の王子さまには隠されています。
作中のキツネのセリフである
仲良くなるとは、あるものとそのあるものが同じ形をしていても全く違う感情を抱くことができること
1番大切なことは目に見えない。きみがバラをかけがえのないものにしたのは、きみが、バラのために費やした時間だったんだ
といったセリフの数々には、子供よりもむしろ大人が”本当に大切な何か”を気づかされる含蓄があるように思えますよね。
このような深みこそ、本作が世界中で大ヒットした要因なのだと思います。
そんな星の王子さまは世界300か国語に翻訳され、現代でも世界中の国々で愛されています。
本書以外にこれほど翻訳された書籍は他になく、聖書などの宗教書を除くと星の王子さまは”世界で最も翻訳された本”という事になります。
そして誰もいなくなった・・・約1億部
1940年に発売されたアメリカ版”そして誰もいなくなった”初版本
https://www.sothebys.com/en/buy/auction/2021/detective-fiction-including-the-alexis-galanos-collection/agatha-christie-and-then-there-were-none-1940
著者:アガサ・クリスティ
発行部数:1億部以上
発行年:1939年
ジャンル:推理小説
世界で10番目に売れたとされる書籍が、イギリスの推理作家アガサ・クリスティの代表作である『そして誰もいなくなった』です。
約1億部以上売れたと言われ、”史上最も売れた推理小説”とも言われています。
絶海の孤島に建てられた洋館に軍人、医者、判事、学校の教師などの様々な職業の10人が、洋館の主であるU.N.オーウェンによって集められます。
部屋に飾られた”十人の小さな兵隊さん”という不気味な詩になぞらえて、一人また一人と殺されていきます。
そして、最後の一人も死に、孤島からはタイトル通り”そして誰もいなくなった”という結末で事件の幕は閉じます。
こうして、不可解なこの事件は、真相が分からない”迷宮入り事件”として処理される事になったのでした。
・・・と、ここまでが物語の中の世界での結末。
エピローグでは、迷宮入りしたこの事件の”真犯人”が残した手紙が記され、この事件の真相を知ることが出来るという構成になっています。
密室の空間で行われる事件を推理するミステリの分野である”クローズド・サークル”の代表作であり、また同ジャンルの最高傑作とも呼ばれている作品です。
後に映画や戯曲の題材となるなど、同作は”ミステリ・推理小説の金字塔”として、発売から50年以上経った現在でも愛好家に親しまれる不朽の傑作となっています。
まとめ
いかがだったでしょうか。
昨今は人々の”読書離れ”が叫ばれて久しいですが、人類はその長い歴史の中で多くの時間を”本”と過ごしてきました。
今後技術が発展しようとも、人類が完全に”本”を捨て去ることはないのではないでしょうか?
みなさんも今回ご紹介した中で気になる本があったなら、ぜひ手に取って読んでみてはいかがでしょうか?
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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